呑み切り

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早くも6月。
1年も半分近く経ってしまいました。
年々時間の経つのが早くなるのは
歳のせいでしょうか(泣)

さて、気を取り直して…。
今日は呑み切りがありました。

現在貯蔵中のお酒をチェックするために
「呑み(ノミ:タンクの口)」を「切る」ことが「呑み切り」です。

酒好きな人からすると
何とも羨ましい仕事だとお思いでしょうが(笑)
実は結構重労働です。


全部で約70程きき酒をするのですが、
鑑評会で他社の酒を見るときと違い(笑)
流しながらきき酒、という訳にいかないため
1点1点真剣勝負です。

見た目だけでなく
舌と鼻で味や香りをみながら
様々な香りや味に分解しながら、
それを文章に変えていきます。

味覚・嗅覚・視覚センサーと
普段使わない脳味噌(笑)をフル活動させるため
終わった後はクタクタです。

…で眠くなってその後は仕事になりません(泣)

それから、きき酒の後に必ず
食べたく(飲みたく)なるものがあります。

それは、ちくわ梅昆布茶です。
何故か分かりませんが無性に欲しくなります(笑)
自分だけかと思ったらスタッフみんな同じ様な事を考えていました。

皆さんもきき酒をする機会があったら
後にちくわと梅昆布茶をどうぞ。

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お酒の好きな私は、お遊びで利き酒をしたことは
ありますが、業務としての「呑み切り」は
経験がありません。

文面から察する感じでは、五感・経験のみならず、
体内に隠れている職人さんの感性おも呼び起こして?
お酒を診るのでしょうね。大変さが伝わってきます。

ところで、素人の質問ですが、その「呑み切り」で診た
お酒の味が悪かった場合、そのお酒はどうなってしまう
のでしょう?

プロの現場でも
「こんなものは売り物にならない!バーンッ!」
なんて星一徹ちゃぶ台ひっくり返しみたいな事は
あるのでしょうか?

ほとんどの方は呑み切りなんて
したことはないでしょう^^;;;
むしろやったことがある人のほうが珍しいです。

呑み切りをして酒の評価が良くないことはあります。
どうしても酒造りは
自然(米の出来、酵母、気象条件など)に
左右されるからです。

そこで必要になるのは濾過や調合の技術です。


調合で言えば
・熟成が進みすぎたお酒は若いお酒をブレンドする
・やや辛めになった酒とやや甘めの酒をブレンドする
 というような方法を使ったり
・どうしても純米大吟醸として品質に問題があれば
 下のグレード(例えば純米酒)にブレンドして使う
などがあります。

濾過で言えば
・製造の過程で何か変な香りや味がついてしまった
・米のタンパク質が多く雑味の多い酒になった
・タンパク質が多く、テリが悪くてやや濁って見える
・貯蔵中に色が付いてしまった
と言う場合には
適量の活性炭をつかって濾過をすることで
匂いや味、濁りを取ることが出来ます。

マンガや業界の一部で起こっている
無濾過商品、単一仕込み商品のブームの影響で
調合や濾過=悪者といったイメージがあります。

活性炭をたくさん使いすぎてペラペラの酒にするのは
(淡麗辛口とも言う(笑))言語道断ですが、
酒質にあった適量の炭を使い、気になる香りや味を
取って飲みやすくすることは
決して悪い事とは思いません。

例えが良くないかも知れませんが、
女性の化粧と同じイメージだと思います。
厚塗りしすぎて誰か分からないのは
どうかと思いますが(笑)、
少し目が小さいとか鼻が低いといった短所を
上手に隠し、良いところを少し強調することで
きれいに見せるのは良い事だと思います。


これで修正出来ないほど酷い酒(星一徹卓袱台状態)
を造るのはプロ失格です。

「呑み切り」後の、お酒の修正の話し、良く判りました。

営利としての酒造りは、やはり「売れる酒になるか?」が
大切なのですね!

捨てるお酒ばかりでは商売になりませんし、「今年はこんな
酒しか出来ませんでしたー」なんて言うのもプロとして
変ですよね。

確かに、生き物としてのお酒は、大変デリケートで
扱いが難しく、高ビーな愛人みたいに手が掛かると
思いますが、その分愛情も深まるのですね!
あはは...

女性の化粧のたとえは面白いですねー。
でも、関谷の吟醸が「厚塗り」で、誘蛾灯のごとく
道を外す人が多い、なんて話しはちょっと危険?ですか
ねぇー。
吟醸は「厚塗り」ではないっすね!すっぴんですかー?


別件です。
6月10日から、梅の収穫で鳳来の実家に戻ります。
関谷さんには、50kg/日 1軒で300kgと親父から
聞いています。
直接、畑で梅を見ていませんが、今年は天候が良かったので
良い梅がお届けできると思います。また、そのように頑張り
ます。

しかし、うちの会社も、年休5日連続を取れるように
なったのは嬉しい限りです。入社した頃には全く
考えられなかった事ですから。
梅の収穫の中休みには、田口に行きたいと思っています。

「売れる酒」というと語弊がありそうですが^^;;;
お客さんが、
「ココの蔵ならハズレがない、安心して呑める」
という商品を造らないといけないと思っています。

それと、ひとつ誤解して戴きたくないのは
理想は「すっぴんで美人(笑)」なお酒を造ることです。
そのために蔵元は努力をするべきです。


厚塗りで危険な香りのするご商売の方に、
ふらふらと引き寄せられる
気持ちも分からないでもありませんが^^;;;
毎日顔を見ても飽きない「恋女房」な酒が
蓬莱泉のあるべき理想です(笑)


そろそろ梅が入ってくると担当に聞いています。
受け入れ準備も出来て後は梅を待つだけなので
首を長~くしてお待ちしています。

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このページは、sekiyaが2006年6月 1日 15:05に書いたブログ記事です。

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