「事故米」に思うこと

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昨今、大阪の某米問屋(?)M社が
「汚染米」だか「事故米」とやらで
世間を騒がせています。

私の友人の蔵元も
この「汚染米」が混入していた米を
知らず知らずのうちに買わされていて、
該当商品の回収やその対応で
大変な損害を被っているそうです。

しかし彼は恨み言も言わず、責任転嫁もせずに
粛々と情報の公開と該当商品の自主回収をしています。
その姿勢には頭が下がります。

こんな事件に負けず、頑張って欲しいと思います。


ニュースでは、
政府から払い下げられた事故米穀を
食用の加工米に混ぜていた米問屋M社の
手口がいかに巧妙で、あくどいものであったか
というような事だけを報道しています。

もちろん今回の事件を引き起こした
M社については弁解の余地もないし、
厳しく追及されるべきだと思います。

しかし…

そもそも、そのカビや農薬に汚染された米を
何故政府が保管していたのでしょうか?

他の出荷製品に報復関税を掛けられないために
ミニマムアクセスとして米を買うのは分かります。

その米はインディカ米やモチ米なども含まれていて、
あまり普段の食用には適さないので、
もしもの場合の備蓄米にするのも分かります。

では、何故それがカビや農薬に汚染されているのでしょう?
それではいざと言うときに備蓄米として役に立ちませんし、
食品の加工用にも転用できません。


普通消費者の立場で考えたとき
買った米がカビていたり、農薬に汚染されていたら
クレームを付け返品するのが普通です。

保管中にカビが生えてしまうのは
こちらの保管方法にミスがあったとしても
こちらのミスで農薬が検出される事はありえません。

始めから工業用としてカビたり、農薬に汚染されている米と
分かって買っているのなら話は別ですが、
そんな感じでもなさそうですし、それなら米の加工品として
糊や接着剤の状態で買った方がはるかに安い気がします。

もし、これが米の輸出国が自国内で使えないので困って
その在庫処分で「買わされている」のであれば、
国民の税金を使って、汚染された米を「売りつけられ」
その使えない米の処分に困って、工業用の米業者に
二束三文で売ってる、と言うことになります。


そんなモノを売りつけられて、のほほんとしている政府は、
「情けない」以外言う言葉がありません。
「私たちも騙された、M社に対し契約に基づき賠償請求をする」
なんて某農水大臣が言っているのが茶番に思えます。

報道によるとM社への監督官庁の立ち入り調査は
すべて筒抜けだったそうです。

契約条件に「工業用米の食用への転用を禁じる」条項が
あるということも報道されていました。
ということは当然こういった事件が起こることを
予想していたということになります。
その予想されていたカラクリを見抜けず
なれ合いの調査「ゴッコ」を行っていたのであれば、
この事件に関しては、農林水産省も同罪でしょう。

彼らは、もう少し国民の食に対する安全に対して
真剣に考えるべきだと思います。

コメント(2)

んー。

保管中にカビが発生してしまったのはしょうがないとしても、なぜ汚染されたお米を管理してたんでしょうかねぇ。
一般的に、検査等で汚染が判明した段階で返品なり交換なり行うと思うんですが・・・

農水省を援護するわけではありませんが、
「当然こういった事件が起こることを予想していた・・・」
というより、
「普通、こんなもん食用へは転用しないでしょ!」
的な発想だったんではないかと。

汚染米を流すのであればダイレクトに「工業用のみ」とする。または、安全や事故等を考慮して思い切って全て
「廃棄」する。などの対策がとられればこのような事件起きなかったのでは。

いずれにせよ、多額の予算が必要かと・・・

返品をしなかったのは
いわゆる「オトナの対応」でしょう(笑)
むしろ農水省にとって、カビだけでなく
農薬汚染すら承知の上だったような印象を受けます。

5円で買ったモノが「ちょっと」「偽装」
すれば80円で売れるのなら、
処分業者が悪いことをする前提で
検査しないといけないのに
それをしなかった農水省と業者は、
癒着を疑われても仕方がないと思います。

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このページは、sekiyaが2008年9月10日 10:25に書いたブログ記事です。

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